研究課題/領域番号 |
17530150
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
大川 昌幸 立命館大学, 経済学部, 教授 (50291761)
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研究分担者 |
多和田 眞 名古屋大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (10137028)
岡村 誠 広島大学, 大学院・社会科学研究科, 教授 (30177084)
大川 隆夫 立命館大学, 経済学部, 助教授 (10258494)
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キーワード | oligopoly / voluntary export restraint / tariffs / labor immigration / industrial policy / excess entry / economic welfare / income distribution |
研究概要 |
平成17年度の本研究者グループによる研究は、研究分担者間の緊密な打ち合わせにより、本研究目的および研究実施計画にそうかたちで進められ、意義深い大きな成果が得られた。 大川昌幸は2国モデルにおいて、中間財市場が寡占的市場である場合の貿易政策(関税、輸出自主規制、輸入数量規制)が寡占企業の供給行動とその利潤、その中間財を投入する最終消費財産業への影響、消費者の効用、経済全体の社会的厚生に与える影響を分析して成果を2論文として発表した。現在、世界の貿易における中間財取引の占めるシェアは年々急増し、また主要な中間財市場は国際的な寡占市場となっているケースが多い。そういう意味でも、貿易自由化が進展する今日、寡占的な中間財市場を明示的に考慮に入れた分析から、意義深い成果が得られたといえよう。また、2国モデルの一般均衡モデルを構築して、寡占市場と競争的な市場での技術進歩の影響を分析して、完全競争市場で得られた、Mill-Edgeworthの窮乏化的技術進歩の命題を再検討している。 貿易の自由化は発展途上国において急速に進んでおり、それらの国の経済に及ぼす影響についてさまざまな議論を呼んでいる。多和田眞は発展途上国からの労働移動とそれに対する受入国の政策が受入国および流出国の労働者や企業の収益率に与える所得分配効果、および経済全体の厚生について理論的分析をおこない、2論文にその成果を発表している。また戦略的貿易政策の政策発動のタイミングが果たす役割についての従来の研究を拡張している。 大川隆夫と岡村誠は貿易の自由化と産業政策の関係を研究し、意義深い多くの大きな成果を生むことができた。そのひとつでは、産業組織論でよく知られた過剰参入定理を企業の費用構造が異なるモデルに拡張し、新しい意義深い結論を導き出している。そのほかにも、産業組織に関する多くの理論的研究を進めている。
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