研究分担者 |
野沢 敏治 千葉大学, 法経学部, 教授 (20022478)
工藤 秀明 千葉大学, 法経学部, 教授 (40195459)
石田 靖夫 千葉大学, 法経学部, 教授 (10241928)
内村 博信 千葉大学, 法経学部, 教授 (30193907)
三宅 芳夫 千葉大学, 法経学部, 助教授 (40334164)
|
研究概要 |
今年度は公開研究会の活動を中心にして以下のような成果を得た。 1 日本の市民社会論 戦後の社会科学者をとりあげてその近代市民社会論の意義を再確認するとともに,自然認識・アジア認識・現代市民社会認識において再検討すべき課題があることを検出した。特に野沢は,大塚久雄の西洋経済史研究の出発点が当時の戦中全体主義との接触と抵抗を背景にしてなされていることを捉え,その方法態度の意義と今日的観点からの発展可能性(世俗ゼクテと低開発国の経済発展戦略)を検討した。 2 EUにおける市民権概念・社会モデル論について フランスとドイツにおける政治文化と最近の社会的排除の現状について,またハバーマスの言説活動をめぐる問題について共同研究を行った。特に安孫子はフランスのレギュラシオン研究の状況について現地調査をした。それによって,欧州社会モデル論の前提となる制度理論レベルでの刷新に触れ,経済理論史的視野から新たに制度経済学の構築を進めるJ.サピールの試行や,社会的コンフリクトと政治的権力関係を力説するB.アマーブルの制度研究から,新知見を得ることができた。 3 東アジアにおける市民社会形成について 近世における日本と朝鮮の社会比較,M.ウェーバーの東アジア・ヨーロッパの比較宗教思想史研究,現在の台湾・中国の経済発展と日本経済との関係について,共同研究を行った。その結果,社会比較に際して文化的な国民頓型の認識が有効であることを認めつつ,その頓型把握を固定化せず,型と型との間の関係や型そのものの動態的変化の視点をもつことの重要性を確認できた。 文献資料についてはEU関連と東アジア市民社会論を中心にして収集した。
|