1.ヒュームとスミスの不平等論の研究 ヒュームとスミスが経済発展と不平等の関連をどのように考えていたかについて、平井俊顕編『市場社会とは何か』(上智大学出版会、2007年4月刊行予定)の第2章「経済発展と不平等-ヒュームとスミス」としてまとめた。 2.平等と不平等についての哲学的考察 プラントとアリストテレスにおける二つの平等概念の区別と、その後の分配的正義論の歴史について考察し、イギリス哲学会編『イギリス哲学・思想辞典』(2007年刊行予定)の項目「正義」としてまとめた。 3.マルクスとセンの不平等論の比較研究 マルクスとセンの不平等論を比較考察し、平成18年5月の経済学史学会大会(神奈川大)において「マルクスとセンの不平等論」として報告した。また、マルクスの不平等論の理論構造について研究して、同年10月の経済理論学会大会(愛知大)において「マルクスにおける不平等批判の方法」として報告した。いずれも報告文は大会報告集に掲載されている。 4.不平等論と人間発達論の研究 平等と不平等を論ずるときには、「何の平等か」という問いが核心をなす。マルクスとセンが、人間の能力の発達における平等と不平等をどのように考えたについて比較考察して、平成19年3月に南京師範大学で開催された「人間発達の経済学」国際会議において「K.マルクスとA.センの不平等論と人間発達論」として報告した。
|