研究概要 |
1.分配的正義における「労働に応じた分配」と「必要に応じた分配」の関連について,プラトン,アリストテレス,自然法学,スミス,マルクス,センなどを中心に理論的・思想史的に考察し,研究成果の一部を独占研究会(2007年4月,東京経済大学)で発表した。 2.重商主義思想と比較しながら,アダム・スミスにおける貧困と福祉の経済思想について考察し,スミスにおける貧困観の転換の特質を明らかにした。研究成果の一部を生産と分配の経済思想史研究会(2007年9月,2008年1月,早稲田大学)で発表した。さらに,経済学史学会第72回大会(2008年5月,愛媛大学)の共通論題「貧困と福祉の経済思想」で報告するために報告論文(大会報告集掲載予定)を作成した。これを拡張して,学会誌掲載用の論文を執筆中である。 3.人間発達の経済学とマルクス,センの思想との関連について考察し,人間発達と自由と平等の3概念の相互関係と一体性を明らかにした。研究成果の一部は,基礎経済科学研究所第30回研究大会(2007年9月,京都)で発表した。 4.経済学と社会福祉学における「福祉」概念の差異について考察し,『介護福祉のための経済学』(2008年刊行予定)の第1章として執筆した。 5.ロールズ、ドウォーキン、セン、コーエンなど現代英米の政治哲学における正義論・平等論について整理し、古典的な正義論・平等論と比較して考察した。
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