研究課題/領域番号 |
17530161
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研究機関 | 埼玉大学 |
研究代表者 |
李 潔 埼玉大学, 経済学部, 教授 (10302506)
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研究分担者 |
泉 弘志 大阪経済大学, 経済学部, 教授 (70066835)
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キーワード | 国民経済計算 / 購買力平価 / 国際比較 / 中国の政府統計 / 中国の労働統計 / 中国GDP統計 / 産業連関表 |
研究概要 |
上記研究課題を研究していく第2年度として、今年度は主に中国の政府統計の考察を中心に研究を進めた。 1)中国の産業別労働生産性や全要素生産性の分析を進めるための準備作業として、中国就業者統計の問題について調べた。『中国統計年鑑』や『中国労働統計年鑑』では、1990年以降の「産業別就業者数」における各産業の就業者数を合計すると、同表の総数欄と一致せず、なんと1億人に近い差が出てくる。このことはさまざまな混乱をもたらし、多くの憶測を生ませた。その差に対する解釈の相違によって、産業別就業者数をそのまま利用しその合計を就業者総数とする研究もあれば、公表された総数に合わせて各産業の就業者数に対する調整を試みるものもある。本研究は中国の現行の就業者数推計の仕組み、推計に利用している二つの統計の調査方法の相違を考察することによって、両統計のギャップを発生する原因について究明した。 2)中国の政府統計にめぐって変化が激しい。国民経済計算がSNA体系に準拠した新しいマニュアル(『中国国民経済核算体系2002』)となり、その内容を検討し全訳した。国家統計局の国民経済計算司長許氏がその公表直前に発表した論文「『中国国民経済計算体系(試行案)』の改定について」や、それに関連する論文を検討し翻訳発表した。また、2004年に第1回経済センサスが実施され、その後、2004年GDPは16.8%上方修正された。それについて調べ「中国のGDP統計と経済センサス」をテーマに、経済統計学会全国総会の特別セッションで報告した。 3)購買力平価に基づく日中経済規模の国際比較を行い、中国語で論文発表した。 4)昨年の「日韓2000年産業別購買力平価の推計」を引き続き、「日中2000年産業別購買力平価の推計」と「中韓2000年産業別購買力平価の推計」を行い、この3つの2ヶ国推計を基に、日・中・韓3ヶ国の購買力平価の推計を試み、その成果を「2000年日中韓3ヶ国購買力平価の推計」を題に2006年日中経済統計国際シンポジウム(名古屋商科大学で開催)で報告し、また、「行列整合性・基準国不変性・推移性を満たす購買力平価の算式一日中韓2000年産業連関表実質値データの構築に向けて」を題に環太平洋産業連関分析学会2006年度総会(沖縄国際大学で開催)で報告した。
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