研究概要 |
前年度までの調査データにもとづいて研究をおこない,その過程において明らかになった問題を解決するため,より精緻なデータを得る必要があきらかとなった。そのため8月から10月にかけて,再度,ラオスにおいてアンケート調査をおこなった。実施者は研究協力者であるラオス国立大学 経済学部講師 Phinseng Changgakham氏である。再調査の目的は以下のようなものである。 1) 昨年までの研究で集めたデータはパネルデータとなっているが,2期間と極めて観測期間が短いため,推定に十分な精度は確保できないケースが見られだ。農業生産は局地的な天候に大きく依存するため,制度変更の影響と天候の影響の識別が困難であると考えられた事例が存在した。再度の調査により,推定精度の上昇が期待できる。 2) 実際の働き手や家族関係,土地所有関係についてのデータが乏しく,生産性についての計測について,その信頼性への疑問が提起される可能性があるため,前回までの調査対象を際訪問し,追加的な情報を収集した。 3) 農地の質についての情報についてより詳細な情報を入手するため,前回までの調査対象を際訪問し,追加的な情報を収集した。このデータにより,好条件の土地に集中的に融資が行われたという可能性を識別することが可能となる。 新しいデータを用いた分析についは,すでにその大部分が終了しており,前年度までの研究で得られた結論がより強く支持される結論に達している。
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