本研究は、石油ショック以降の日本経済について、主として産業連関表、接続産業連関表を利用して、産出高と雇用量とを対比し、労働の生産性が雇用の減少・排除とどのように関連していたか、またそのことが1980年代以降に顕著になる経済のサービス化とどのように関連してきたかを、国全体の経済および各産業について、3ヵ年の計画で統計的に分析することを目的としている。 産業連関表、接続産業連関表は諸官庁の協力の下に5年毎に作成・公表されてきているが、本研究の第1年度にあたる本年度には、まずこの分析に必要な昭和40年(1965年)から平成12年(2000年)の産業連関表・接続産業連関表とそれらのCD-ROM版も入手した。ついで数値計算、分析を容易にするために、CD-ROM版の連関表で圧縮して収録されている数値表を通常の数表に戻す作業を進めた。この作業には研究補助者の協力も得ながらも、多くの時間を要した。しかし、今後これらの数表を加工・分析し研究を進めるための準備作業を順調に進めることができた。 各年の産業連関表、接続産業連関表では、産業分類が少しずつ変化してきており、比較・対照する年の連関表について産業分類が必ずしも一致していない。したがって、産業連関表、接続産業連関表の数値を多年にわたって比較するときには、産業分類の異同を確認し、必要に応じてそれらの分類を調整する必要がある。本年度は、上の作業と平行して、各年の表の産業分類を対照・照合しながら異同を確認する作業にも着手した。
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