研究課題/領域番号 |
17530173
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
丸川 知雄 東京大学, 社会科学研究所, 助教授 (40334263)
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研究分担者 |
苑 志佳 立正大学, 経済学部, 教授 (00308123)
安本 雅則 青山学院大学, 経営学部, 助教授 (40293526)
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キーワード | 携帯電話端末 / 移動通信 / 製品開発 / 流通 / 中国 / 垂直分業 |
研究概要 |
1.研究の経緯 日本国内では平成18年4月から平成19年3月にかけて、月1回前後のペースで、携帯電話端末の開発や製造に関わる端末メーカー、部品メーカー、開発企業、チップメーカー等を訪問調査した。また、18年7月末から8月初旬にかけて中国各地で携帯電話端末メーカー、開発企業、流通業者等を訪問調査した。 2.得られた知見 昨年度と比べ、今年度は日中の携帯電話の開発と流通における差異がいっそう顕著になった。 中国では平成17年から18年にかけて携帯電話端末の設計における同質化が急進展した。その主たる理由は、台湾の半導体メーカー「MTK」が提供する安価でサービスのよい「プラットフォーム」の登場である。いまや携帯電話端末はさして技術力を必要とせずに製造できるコモディティとなり、深刎では多数の零細携帯電話メーカーが輩出し、年2000万台規模の「ヤミ電話」が生産されている。開発力のある中国メーカーは、中国でも第3世代の携帯電話サービスの開始を心待ちにしている。そうなれば日本のような通信業者主導の産業に転換する可能性があり、メーカーの開発力によって通信業者への納入で差がつく可能性があるからだ。 日本では、通信料金の価格引き下げを訴える業者の本格参入により、従来高価格だった携帯電話端末の開発コスト引き下げが検討されている。そのために、日本でも「プラットフォーム」の概念を各社が轟入し始めている。つまり、機種間で同じ開発の基盤を共有することで、1機種あたりの開発コストを引き下げようと言うのである。ただ日本では通信業者ごとに業界が仕切られており、1つの通信業者に納入するメーカー間でのプラットフォームの共有はあっても、通信業者・メーカーを横断したプラットフォームは成立していない。 形態は大きく異なるものの日中両方で「プラットフォーム」が重要になってきている。
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