研究概要 |
平成17年度における研究実績は以下のとおりである。 ・日米のITネットワークと企業パフォーマンスの研究については、米国商務省(CES : Center for Economic Studies)との共同研究を行っており、分析についてはほぼ終了した。両国の2000年の企業レベルデータを用いてITネットワークの活用による生産性への影響が日米でどのように異なるかを定量的に分析するものである。ITネットワークを活用することによる生産性への影響は米国企業は日本企業の2倍あることがわかった。今後、その要因についてより詳細な分析を行っていく予定である。 ・中国におけるITと生産性に関する企業レベル分析については、中国国家統計局における科学技術統計調査の個票を用いた分析を行い、以下のワーキングペーパーとしてとりまとめた。 IT, Enterprise Reform and Productivity in Chinese Manufacturing Firm, RIETI Discussion Paper 2005-E-025 (http://www.rieti.go.jp/jp/publications/dp/05e025.pdf) 中国の企業においてもITの生産性に対する効果は見られるが、その影響度は国有企業から株式保有企業などの企業の所有形態の改革が行われた企業においてより大きいことがわかった。 ・韓国と台湾のITイノベーション関係データについては、データの利用可能性については調査中である。なお、日本・韓国・中国の電子商取引に関するデータについて、研究論文を取りまとめた。(研究成果の項目) ・特許データを用いた日米東アジアのITイノベーションに関する実証分析については、日本特許庁の特許データをベースとした分析用データセットを作成した。なお、当該データベースの開発に関する論文を取りまとめた。(研究成果の項目参照)
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