研究課題/領域番号 |
17530185
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
佐藤 光 大阪市立大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (90093244)
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研究分担者 |
脇村 孝平 大阪市立大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (30230931)
佐藤 隆広 大阪市立大学, 大学院・経済学研究科, 助教授 (60320272)
土屋 貴志 大阪市立大学, 大学院・文学研究科, 助教授 (90264788)
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キーワード | バイオテクノロジー / 産業 / 米中日比較 / 生命倫理 |
研究概要 |
毎回15人ほどの研究者の参加を得て開かれる研究会を母体として、以下の研究成果を得た。 1.日本バイオ産業の現状分析。 日本のバイオテクノロジー研究とバイオ産業の現状を、内外の統計資料と先行研究のサーベイを通して分析し、その発展が欧米、特にアメリカの同産業のそれに比較して後れていること、後れの原因の一つが、産官学からなる「国家的革新システム(NIS)」の未発展にあることを明らかにした。 2.医薬品産業のセントラル・ドグマの検証。 「医薬品開発には膨大な研究開発費がかかるから、薬価が高いのはやむをえない」「規模の拡大をはかるには企業の買収統合が不可欠だ」などの、いわゆる「セントラル・ドグマ」の妥当性を、統計資料と先行研究に依拠して検証し、ドグマにはそれほど多くの現実的根拠がない、という暫定的結論を得た。 3.バイオ産業の生命倫理学的考察。 臓器移植、生殖医療、再生医療など先端医療技術に関する倫理学的・哲学的考察を通して、それらの技術と産業化には「生命のモノ化」「生命の商品化」という原理的問題が含まれており、それは、「労働力、土地、貨幣の商品化」などと呼ばれて、経済学で以前から研究されてきた問題がもっとも先鋭な形をとって現れたものである、との暫定的結論を得た。 以上の結果は、近日中に『バイオテクノロジーの経済倫理学』(仮題)として出版される予定である。
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