研究課題
平成18年度は、以下の研究活動を行なった。1.著者『バイオテクノロジーの経済倫理学』の出版準備本書は、前年度末に行なったシンポジウムの成果に基づいたものだが、そこで提出された基調報告とそれらに関する参加者全員による討論を、その後さらに練り上げ、彫琢して、著書の形にまとめ上げたものである。米中、特に米国のバイオ産業との比較における日本バイオ産業の現状と課題、世界医薬品産業の「ドグマ」の問題点、人体の「医療資源化」の生命倫理的諸問題などが、これによって理論的かつ実証的に明らかにされた。なお、箸書はすでゲラ刷の段階に入っており、1、2ヶ月以内に出版される予定である。2.アメリカ現地調査と現地研究者との意見交換平成19年2月末から3月上旬にかけては、アメリカバイオ産業の現地調査を行ない、バージニア大学とメリーランド大学などにおいて資料を収集する一方、同大学研究者と活発な意見交換を行なった。バイオ産業を一国の基幹産業とすることへの疑念、臓器など人体の商品化に関する懸念などの点で強い合意が得られ、近い将来における共同研究への希望が表明された。3.中国バイオ産業の文献調査。主に文献調査を通じて、中国バイオ産業の現状と問題点が明らかにされた。現状において日米欧のライバルというのは時期尚早だが、中国政府の振興策などから判断して、近い将来、同国バイオ産業があなどれない存在になりうるとの予備的感触が得られた。以上
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