平成18年度前期は、後藤宇生(研究代表者)が、スタンフォード大学経済学部雨宮健教授の下で、客員研究員となり、構造型推定・産業組織論・ゲーム理論に関する講義とセミナーに参加し、研鑽を積んだ。また、以下の3つの分析を行った。 (1)動学的な推測的変動の実証 (2)環境を配慮する企業行動 (3)企業の業績予想 (1)規制緩和過程における産業内の経済規範の変動を数値として抽出し、産業構造の変動について検証を行っている。その結果の一部は、現在、海外雑誌に投稿中である。(2)企業の環境報告書から環境投資のデータを抽出し、環境投資を行う企業行動に関して実証分析を行った。その結果を現在、海外雑誌の投稿中である。(3)企業の業績予想の特徴付けに関して実証研究を行い、海外雑誌に投稿し、掲載の許可を得た。 次年度の研究の目的は、さらに構造型推定(Structural Estimation)を改良・使用し、離散選択理論をベースにした消費者行動の実証分析をすることにある。論文の投稿と改良だけでなく、新たにHome scan dataを使用して3つのことを行うことを考えている。 (1)New Goodsの価値の計測 (2)Boomに対する消費行動の計測 (3)税金の帰着問題 Home scan dataは、財の購入量と価格や場所だけでなく、購入した人の属性(性別、職業、家族構成、所得など)の情報を持っている。この貴重なデータの使用し、よりデータに適切な計量モデルの開発を行う。
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