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2005 年度 実績報告書

日本社会に適した事業再生の経済学的および社会学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 17530187
研究種目

基盤研究(C)

研究機関青山学院大学

研究代表者

中込 正樹  青山学院大学, 経済学部, 教授 (30137020)

キーワード事業再生 / 日本社会 / 株主資本主義 / 経済事情 / 経済理論
研究概要

初年度の目標の第1は、まず基本となる分析視点を改めて再検討しながら、その方法論をより強固なものとするための基盤研究を行うことであった。このためには、従来の合理的個人を前提とした経済理論によるリスクや市場の失敗という考察だけでなく、人間が社会の中で倒産や失業などきわめて困難な経済事情に直面したとき、いかなる認知的活動によって必要となる情報を収集しまた意思決定の自由と可能性を保持しうるのか、たとえば近年注目を浴びているKahneman-Tverskyの心理学的経済アプローチを参照にしながらそれを新たな出発点として、より基本的な分析を行う必要があると考えた。この点から「経済学における認知問題の方法論的再検討:序論」という論文を執筆した。この考察は、事業再生を迅速・効率的に行うための基盤的制度作りのための基礎となるものである。つまり人間はきわめて困難な経済的事情においては、従来の経済学が想定するような「合理的意思決定」を行うとは限らないのであり、またマクロ経済はわれわれを「見えざる手」によって自動的に効率的状況に導いていくとは限らないのである。事業再生を迅速・効率的に行うための基盤的制度作りは、こうした認知論的研究の基礎の上に正当化されるものである。それは真に「人間そのものの再生」という視点を、事業再生研究の中心に置くことになるといえる。
こうした基本的考察を出発点として、具体的に日本社会に適した制度設計を考えていく。本年は初年度であり、まだこの点に関する具体的成果を発表できる段階に至っていない。しかし現在資料の収集と整理を行っており、さらに資料の意味を解釈するための経済学以外の分野、たとえば社会学・心理学等の文献も広く読み込みを行っている。株主資本主義関連の文献も読んでいる。次年度以降、日本経済の特性を考慮しつつ、それに関する具体的な成果をまとめていきたい。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2005

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] 経済学における認知問題の方法論的再検討:序論2005

    • 著者名/発表者名
      中込正樹
    • 雑誌名

      青山経済論集 57巻3号

      ページ: 133-148

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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