研究課題
基盤研究(C)
日本の経済社会は歴史的に見ると、大きな構造変化のプロセスの中にある。この変化の中で人々は強い不確実性の認識を有している。このことを指摘しつつこの不確実性の認識が人々の意思決定にどのような影響を及ぼすのかを経済学的に明らかにした。特に本研究ではリスク下における人々のリスクヘッジ行動を取り上げ、それへの不確実性の影響を近年の行動経済学の視点から分析した。この点が理論的に考えると、事業再生の遂行においても、その成否を大きく左右するポイントであると判断したからである。本来事業再生はリスクヘッジを適切に行って企業の最終的な破綻を食い止めながら、事業の立て直しのための可能性をすばやく判断してそのための処方箋を迅速に実行していかなければならない。しかし本研究では、ナイト的な「真の不確実性」の強い認識が人々の適切なリスクヘッジ行動を妨げ、結果的に強いリスクテイキング行動を引き起こすことを示した。これは事業再生について言うと、大きなリスクを背負っても一挙に事業の回復を図るという選択をしがちであるということになる。これは事業再生の成功確率を低下させる可能性がある。これを改善するためには、人々の強い不確実性認識を緩和するための何らかな公的な取り組みが、マクロ的視点に立って行われる必要がある。この点で官製の産業再生機構の活躍は大きな意義を有していたと考えられる。なお本研究はさらに分析ツールである行動経済学自身の理論的視野を拡大するための基礎研究も積極的に行った。以下で示す著作といくつかの論文はその成果である。こうした新しい理論的視点に立って、改めて事業再生や企業革新の分析を行うことは、今後に残された野心的な研究課題であり、ぜひ近い将来精力的に研究の発展を試みたいと考えている。
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青山経済論集 59巻4号
ページ: 75-101
The Aoyama Journal of Economics 59, 4
青山経済論集 59巻3号
ページ: 69-89
青山経済論集 59巻1号
ページ: 73-87
The Aoyama Journal of Economics 59, 3
The Aoyama Journal of Economics 59, 1
青山経済論集 58巻3号
ページ: 87-111
The Aoyama Journal of Economics 58, 3
青山経済論集 57巻3号
ページ: 133-148
The Aoyama Journal of Economics 57, 3