研究概要 |
昨年度の研究成果である女性のコーホート別就業パターンと正規・パート賃金格差に関する論文を"Work Experiences of Japanese Women and the Part-time/Full-time Wage Gap"(Hokkaido University Graduate School of Economics and Business Administration Discussion Paper Series A : No.2006-165, Yukiko Abe)という論文をまとめ、その延長として、男性と女性のコーホート別の就業パターンを比較する研究を行い、中卒の男女で近年就業率が低下しているという結果を得た。 労働市場制度の分析として、最低賃金にかかわる研究を行い、安部由起子・田中藍子「正規-パート賃金格差と地域別最低賃金の役割:1990年-2001年」 Hokkaido University, Graduate School of Economics and Business Administration Discussion Paper Series B, No.2006-62という論文にまとめた。この論文では、1990年代後半のデフレ期において、最低賃金がパート賃金決定に与えた影響を考察した。 所得分配に関する研究として、妻の就業と家計所得分配に関する論文(安部由起子・大石亜希子、妻の所得が世帯所得に及ぼす影響)、夫婦の学歴と所得分配に関する論文(安部由起子、夫婦の学歴と妻の就業-家計所得への影響)の論文2編(いずれも『日本の所得分配格差拡大と政策の役割』小塩隆士・田近栄治・府川哲夫編所収、東京大学出版会に収録)を公表した。
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