研究課題/領域番号 |
17530202
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
上原 慎一 北海道大学, 大学院教育学研究科, 助教授 (10269136)
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研究分担者 |
吉田 誠 香川大学, 経済学部, 教授 (90275016)
兵頭 淳史 専修大学, 経済学部, 助教授 (30294862)
小島 浩之 東京大学, 経済学研究科, 助手 (70334224)
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キーワード | 中小企業 / 技能形成 / 労働組合 / 個人加盟組合 / 大田区 / 印刷産業 |
研究概要 |
本研究課題は、二つの相対的に異なる研究領域からなる。第一は中小企業の存立条件の変化と労働者の技能形成のあり方の解明であり、第二は中小企業分野における労働組合への労働者の組織化の可能性の解明である。18年度もそれぞれの領域において調査、資料収集、資料整理を進めてきた。 第一の課題について、18年度も17年度から引き続き、東京都大田区の零細中小企業、工業団体、行政機関等の聞き取り調査を進めた。昨年度はとりわけ小零細層における家族従業者の重要性が新たに浮き彫りとなった。小零細企業において、とりわけ女性の家族従業者は経理・マネジメント、加工・製造、営業、福利厚生の分野で補助労働以上の影響力を持っていた。とりわけマネジメントや加工・製造での影響力はこれまで実態が明らかにされていない問題である。今後はさらに規模の大きい企業へと対象を広げて行き家族従業員をも含めた技能形成過程を明らかにしてく。 また地域工業団体から自発的に信頼関係を基盤として新たに生まれたプロジェクト組織についての調査も進めた。そのグループは医療福祉関係機器の開発や共同受注を展開し一定の成果を挙げているが、加工のプロが中心となっているため、ニーズの把握、企画面でやや難点をかかえているという実態も明らかになりつつある。 第二の課題について、18年度も全日本印刷出版産業労働組合総連合(全印総連)のとくに東京地方連合会およびその加盟組合に関する史資料調査を継続してきた。18年度までの調査において、全印総連の東京地区における活動の全容が明らかになりつつある。今後も、個人加盟労組と中小企業別労組との関係や性格の異同をより実態に即して明らかにしてゆくことが課題である。
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