研究概要 |
本研究の課題は、産業クラスターに関する学術的分析ではなく、産業クラスター計画立案の手法、および計画の政策評価の課題、評価手法の開発にある。日本の産業集積には、欧米、アジア諸国とは異なる特質があり、単純に欧米モデル、アジアモデルを適用することができない。 日本の産業集積の特質については、橘川武郎・連合生活開発研究所編『地域からの経済再生』有斐閣、2005年の第五章「変容する日本型産業集積-イノベーティブクラスターへの遷移に向けて-」で明らかにした。なお、本書は、2005年度の財団法人商工総合研究所の中小企業研究奨励賞準賞を受賞した。 また、経済地理学会からの要請で、日本の産業クラスター計画の課題と成果を英文で紹介する論文を執筆するよう依頼を受け、Yamasaki Akira, Japan's Industrial Cluster Plan : Background and Characteristics, Annals of the Japan Association of Economic Geographers, Vol.51,2005,pp.499-511を執筆・公表した。本論文は、日本において産業クラスター計画が立案・実施された背景と計画の問題点について論じたものである。その他、関連する複数の論文を公表した。 日本の産業クラスター計画は、評価の結果、計画内容の大幅な修正と新しい目標が設定されており、現在、新しい計画への修正過程についての分析を実施し始めているところである。
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