研究概要 |
18年度研究計画 A.確率構造モデルの展開と応用 A1.本研究計画の「確率構造モデル」は、予想の非同質性を所与として相場の変動率を内生化するものである。「予想の非同質性」が「相場の変動率」にもたらす影響を解析的に導くことは、難しい。そこで、シミュレーション等により定量的に導く。A2.外為マーケットメーカーのビッド・アスク決定モデルの作成。 B.実証分析:外為ティックデータを用いて、相場の変動率と取引量やビッド・アスクの乖離幅との相関を求める。 平成18年度研究成果 A1.予想の分布を表わす確率分布関数に、簡単な形、かつ相場の予想のばらつきに変化を持たせることが可能なものを選んだ。数値計算により予想が非同質的であるほど相場の変動率が大きくなることを示した。 A2.非同質的な予想を前提として、為替相場のintra-day期待時間経路を表わす式を導出した。これにより、外為マーケットメーカーのビッド・アスクの決定をモデル化できた。相場予想のばらつきが大きいほど、マーケットメーカーのビッド・アスクの最適な乖離幅が大きくなることを示した。「確率構造モデル」の有効性を示した。 A1とA2のモデルを複数回学会で発表を行った。いずれもレフリーの審査を経ている。論文1."Stochastic Structure of Brokered Foreign Exchange Auctions,"第4回バシェリエ学会世界大会、東京、2006年8月他2回。論文2."Optimal Spread with Heterogeneous Expectations in Foreign Exchange Market," アメリカ東部ファイナンス学会、2006年大会、アメリカ、フィラデルフィア、2006年、4月他1回。 B.ブローカー経由取引のデータを用いている。10分間あたりの相場の更新頻度と相場変動率等の相関を求める作業を行っている。
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