研究概要 |
平成17年度:外国為替ディーラーの間で指値注文と成行注文が非同時的に生起して取引が逐次成立する連続時間確率過程を「確率構造モデル」として表すことができた。このモデルは為替相場の変動率を内生化するものであり、これにより、initra-dayとinter-dayの相場変動率の変化が説明可能となった。外為市場を含めて金融市場では連続時間で取引が行われている。連続時間取引の揚合、均衡値の定義は自明ではない。本研究計画の「確率構造モデル」はこのような連続時間取引を取り扱える分析方法を開発している。 平成18年度:外為マーケットメーカーのbid/askの決定モデルを作成した。このモデルは、マーケット・メーカーは外為ディーラー間の相場予想の違いを利用する形で、bid/askを選択するというものである。分析手法は「確率構造モデル」である。このbid/askの決定モデルは「確率構造モデル」がミクロ構造の分析のためにより広く適用可能であり、通常の均衡分析を代替しうるアプローチであることを示した。 研究結果は2つの論文にまとめて、学会発表を行った。いずれもレフリー審査を経ている。 論文1."Stochastic Structure of Brokered Foreign Exchange Auctions," 1. FORECASTING FINANCIAL MARKETS、開催地:フランスエックスーアンープロバンス、日時:2006年、5月〜6月。 2.第4回バシェリエ学会世界大会、開催地:東京、日時:2006年8月。 論文2."Optimal Spread with Heterogeneous Expectations in Foreign Exchange Market,"アメリカ東部ファイナンス学会、2006年大会、アメリカ、フィラデルフィア、2006年、4月。
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