研究概要 |
平成17年度における研究成果は下記の3本の論文である。論文1の加筆・修正と、論文2の理論部分の研究を行った。また、論文3の研究・執筆を行った。以下に、各論文の表題を記す。 (論文1)Determining Output and Inflation Variability with Forward-looking and Open-economy Models [広島大学経済論叢、第29巻第3号、83-100ページ、2006年3月] 本稿の目的は、インフレ変動や産出変動の決定因を実証的に明らかにすることである。本稿では、forward-lookingなモデルや開放経済モデルを用いて分析を行った。 (論文2)Episode-Specific Evidence on the Relationship between Inflation and the Output-Inflation Tradeoff.(共著)[投稿準備中] 本研究は、期待インフレ率(トレンド・インフレ)とニューケインジアン型フィリップス曲線との間の関係を検証するものである。本稿の理論部分において、Bonomo and Carvalho(2004, JMCB)のモデルを用いて、数値計算により、期待インフレ率(トレンド・インフレ)とフィリップス曲線の傾き(犠牲率)との間の負の関係を導出した。 (論文3)ゼロ金利下における、将来の金利水準についての期待のコントロール〜『金融政策決定会合』および『月例経済報告』に対する金融市場の反応について〜 本稿は、ゼロ金利下における、金融政策のアナウンスメント効果の大きさを推定するものである。データはわが国の金融市場の日次データを使用し、分析にはイベント・スタディの手法を用いた。第28回金融工学プロジェクト研究センター(広島大学)セミナー(2005年10月19日)と「デフレ期におけるマクロ経済政策」についての研究会(2005年11月18日)で研究報告を行った。
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