研究概要 |
基礎部分の作業・・・わが国に必要と考えられる税制改革をシュミレーションするために,いくつかの経済状況を想定し,さまざまな経済状況のケースの具体的な特定化を考察した.そして,金融市場や労働市場の法的な規制の緩和など税制以外の制度的制約の変化をモデル分析にどのように盛り込むかについて考察した. 理論的研究・・・以上の基礎的な作業をもとに,理論的研究として,分析モデルのどの点におもに改良が必要かどうかを考察した.そして,必要とされる改良の具体的手順を検討の後,昨年度の安定解を得られていた基本的なモデルの改良作業を行い,現時点も続行中である. モデル分析・・・実際に,モデル分析によりシュミレーションする作業は,モデルの改良作業の各段階において,均衡解の計算作業とショック解を求める作業を行った. 成果の中間的な検討・・・学内の研究者とその都度おこなった.海外の研究者とは,今年度,英国の研究者(リーズメトロポリタン大学のサザーランド教授およびシーハン教授)と意見交換もおこなうとともに,労働市場や財政政策について,専門的知識の提供をうけた.同時に,英国を中心に欧州の状況や財政・税制改革などの資料を収集した.また,国内においても,資料収集を行なったが,国内の学外の研究者とは若干の意見交換を行うにとどまった. 研究成果の公表・・・本年度の研究は,この研究の最終段階のものではなく,基礎的部分の作業により得られたいくつかの重要な点を,雑誌論文などとして,いくつか公表した.
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