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2007 年度 実績報告書

中小企業の債権回収に関する実証分析と回収率の数量化モデル

研究課題

研究課題/領域番号 17530255
研究機関統計数理研究所

研究代表者

山下 智志  統計数理研究所, データ科学研究系, 准教授 (50244108)

キーワード信用リスク / 回収率 / LGD / 新BIS規制 / 代位弁済 / 回収行動 / 担保 / 保証制度
研究概要

本研究は債権回収率の計量化モデルを開発・提案するものであるが、特に回収実績データを利用するWorkout LGDと社債市場データを利用するImplied LGDを対象とする。欧米で実用化されつつあるMarke LGDは、日本ではデフォルト債券市場が未発達なためモデル化が難しい。また、Workout LGDはデータベースの整備が遅れているため、データ収集方法から検討を始め、研究当初は過小データでのモデリング方法を検討した。また、日本の融資習慣には、担保順位や代位弁済などの他国にない複雑なシステムがあり、それを反映するようなモデルとデータベースの構造を開発する必要がある。Implied LGDは社債データが入手可能であるが、モデルの推計精度に問題があり、精度向上の理論を確立する。
19年度に置いては、年度中に利用可能となった信用保証協会の代位弁済実行データを用いてWorkout LGDに関する統計モデルの作成を中心に行った。中小企業の債権回収に置いては、日本特有の商習慣があり、回収期間が非常に長いことがデータ分析によって明らかにされた。そのため欧米で普及段階にあるLGDモデルは日本においては利用不可能で、回収行動を的確に反映した独自モデルの開発の必要性が明らかになった。具体的には担保の有無や担保価値、連帯保証に関する要因、政府の金融安定化制度などが、複雑に反映されていることが確認された。実用的なモデル作成については20年度において行う予定である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2007

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件)

  • [雑誌論文] Analytical solutions for expected and unexpected losses with an additional loan2007

    • 著者名/発表者名
      S., Yamashita, Y., Yoshiba
    • 雑誌名

      IMES Discussion Paper Serie 2007-E-21

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 中小企業に対する債権回収率の実証分析2007

    • 著者名/発表者名
      伊藤有希、山下智志
    • 雑誌名

      FSAリサーチレビュー 2007

      ページ: 189-218

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 追加融資を考慮した信用リスク:構造モデルによるELとULの解析解2007

    • 著者名/発表者名
      山下智志、吉羽要直
    • 雑誌名

      金融研究 26巻第2号

      ページ: 103-136

    • 査読あり
  • [雑誌論文] デフォルト境界が不確実な場合の損失率:優先劣後構造を持つ債権への応用2007

    • 著者名/発表者名
      敦賀智裕、山下智志
    • 雑誌名

      金融研究 26巻第2号

      ページ: 79-103

    • 査読あり

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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