研究課題
研究代表者・矢後は、研究期間の第二年次に際し、これまでの文献・資料サーベイをふまえ、成果のとりまとめに着手した。まず、昨年度の研究でみいだされた国際金融システムと国内通貨システムの連関につき、フランスを事例として歴史的研究をおこなった。その成果は、西村閑也氏(法政大学名誉教授)との共著論文として、フランス語で公刊された。また、研究代表者・矢後は、研究課題である変動相場制期の国際金融機関について、その歴史的前提と思想的背景を解明する作業をおこなった。歴史的前提としては、当該期の国際金融機関、とりわけ国際決済銀行(BIS)、国際通貨基金(IMF)および国際復興開発銀行(IBRD)について、通史の概観をまとめた。その成果は、上川孝夫氏(横浜国立大学教授)との共著テキストとして公刊された。また、当該機関の思想的背景については、BISにおけるヴィクセル経済学説の重要性に想到し、「BISにおけるヴィクセル主義的伝統」と題する理論・学説史論文を国内のレフェリーつき専門誌に掲載した。さらに、変動相場制にいたるまでの国際金融市場について、戦後のアジアをケースにとりあげた国際比較研究をおこない、その成果を英国経済史学会(於レディング)および国際経済史会議(於ヘルシンキ)にて英語で発表した。なお、所要の学会等に出席するため旅費を執行した。また、国際金融についての専門的知識の供与を受けるため、河野誠之氏(九州国際大学教授)を招請して研究会を開催した。
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Histoire, Economie et Societe No.2
ページ: 195-211
経済学史研究 48巻2号
ページ: 1-18