研究課題
本研究全体の目的は、現在オープン化の波に直面しているNC装置を事例にとり、オープン化の流れのなかで、NC工作機械のアーキテクチャの変化、および企業戦略の変化などを明らかにするというものである。本年度は3年研究計画のうち2年度目であり、NC装置メーカーや工作機械メーカーへのインタビュー調査を継続して行い、NCアーキテクチャの現状調査、各社の戦略、考え方などを調査した。これまでの調査からほぼ明らかになったことは、NC装置のオープン化に関する各社の戦略はまちまちだが、市販のPC機能をNCのHMI(ヒューマンインタフェース)モジュールに使用するという製品アーキテクチャが、共通して支配的になりつつあるということである。っまり、各社独自の考え方や戦略を採用してはいるが、しかしその中でも、PCとNCとの融合が進展し、それがドミナントな製品アーキテクチャになりつつあるということである。PCとNCとの融合がどのようなプロセスで進展し、そこにはどのような論理が隠されているのか、さらに、そのためにNC装置メーカーと工作機械メーカーがどのように共同開発をすすめているのかなどに分析の焦点を絞り、添付のような2件のディスカッションペーパーとしてまとめた。次年度は、安川・シーメンスや三菱電機などのNC専業メーカーに対するインタビュー、および森精機やオークマなどの工作機械メーカーに対するインタビューを継続して行い、オープン化に対する各社の戦略を継続調査する。以上のような調査結果をもとにして、オープン化の潮流の中でアーキテクチャがどのように変化し、同時に各社の戦略がどのように変化していったのかを、歴史的視点から整理しまとめる。
すべて 2006
すべて 雑誌論文 (2件)
芝浦工業大学技術経営研究センターDiscussion Paper 06-01
ページ: 25
PIETI (Research Institute of Economy, Trade & Industry) Discussion Paper 04J047
ページ: 17