研究初年度である本年度は、テーマである職業意識改革の社会的背景である、ドイツ社会における職業職種養成制度を教育制度との関連で調査することに重点をおいた。これまでの研究テーマである環境保全職種に関連したものを具体的にテーマとするものであったが、ドイツに於ける職業意識開発を職業教育制度との関連で見ることができたと思う。具体的には、2006年6月に日本国際開発学会での研究会で、「ドイツ環境管理と専門職養成制度の有効性について」報告する機会が与えられた。ここで、ドイツに於ける制度的な職業養成の専門性重視の背景を調査することができた。そのことは若年者に対する職業意識の開発と密接に関連していることと思う。職業教育が専門性を維持する姿勢と職業意識開発とは密接に関連しているのである。 ついで、9月末に明治大学で開催された「日本におけるドイツ年」プロジェクトである『マネジメント-日本とドイツ-』大会に於いて、日本とドイツの職業教育制度の比較からコメント報告する機会が与えられ、ドイツの職業教育野専門性重視を指摘することができた。さらに10月1日に愛知学院大学において開催された経営行動研究学会の報告でも、ドイツの職業教育野専門性重視の姿勢を「環境保全管理責任者養成」の育成とその機能の面から、職業教育がドイツ社会の一般的意識を高め、制度としてその重要性が高く評価され受け入れられていることを明らかにすることができたと核心している。 それらの学会報告と並行して行なってきた「本学産業研究湯所プロジェクト:大学インターンシップの国際比較研究」において、ドイツの大学インターンシップ授業の比重の高さ、社会との連携、特に大学と企業との専門性を媒介とする強い連携のシステムの構築を探ることができた。今年度の纏めとして、3月末にドイツでの現状を調査する計画で各地の労働局を訪問する予定である。
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