研究課題/領域番号 |
17530324
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研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
知念 肇 琉球大学, 法文学部, 助教授 (80227321)
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研究分担者 |
ロイ ラーク 立教大学, 経営学部, 教授 (40248167)
兼村 栄哲 駒澤大学, 経営学部, 教授 (50247243)
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キーワード | サプライチェーン・マネジメント / ロジスティクス / マス・カスタマイゼーション / モジュール化 / リレーションシップ / ECR / QR / 物流 |
研究概要 |
サプライチェーン・マネジメント(以下SCM)とは、原材料の調達から1阪売にいたるまでの全ビジネス・プロセスを統合し、管理することと定飛してよいだろう。SCMが注目されるようになったのは、 QR(Quick Rcsponsc )やECR(Effective Consumer Response )と呼ばれるシステムが米国のアパレル業界や食品雑貨流通において本格的に稼動し、大きな成果を挙げて以来である。これらのシステムは、当初1ヨ本におけるJIT(ジャスト・イン・タイム)を参考に開発が進められた。JITは、必要な製品を必要なときに必要なだけ生産することにより、顧客二ーズを満たしつつ、在庫ゼロの状態を実現しようというものである。 SCMは、ITの発展を前提に、生産における琳新とロジスティクスにおける革新、そして販売における革新を結びつけたシステムといってよいだろう。生産においては、大量生産に変わってマス・カスタマイゼーションという概念が導入された、マス・カスタマイゼーションとはカスタマイズされた製品を大飛生産と同じコストで生産しようというものである。モジュール化という生産技術がマス・カスタマイゼーションの実現に大いに貢献した。モジュール化により少ない部品数でより多くの製品を生産できるようになった。 ロイスティクス段階においては、ポストポーンメントという戦略がとられるようになった。これは、製晶の完成を顧客二ーズが確定してから、できるだけ顧客の購買地点に近いところでおこなうことにより、大幅な在庫コスト削減を実現しようというものである。 販売段階においては、徹底的なCS(Customer Satisfaction )が図られるようになり、カテゴリー・マネジメントの徹底による最適品揃えがなされるようになった。 SCMの最大のビジネスにおける貢献は、販売地点での情報が正確に伝わらないために、流通の川上に行けば行くほど在庫が増大するブル・ウィプ(bullwhip)効果と呼ばれる現象を無くしたことである。これにより全取引企業間における取引関係をゼロ・サムではなく、相互に利益が得られる Win-Win の関係にすることができたのである。全ビジネス・プロセスにおける改善は、リード・タイムの大幅な短縮をもたらした。これは予測生塵販売の際に発生する大量在庫を解消するものであった。また、マーケティングにSCMが及ぼした影響を述べるなら、ブランドベース・マーケティングからタイムベース・マーケティングへの移行である。 SCMは21世紀ビジネスのインフラストラクチャーとなると考えているが、これについての論証は、今後の研究課題とさせていただきたい。
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