研究概要 |
平成17年度前半には,実験用のコンテンツ情報作成のためのTV広告の収集と内容分析を行った。広告のサンプルとして国内で放映されているTVコマーシャルを用いた。まず,国内のTV広告を集めDVDレコーダーに録画し,商品・サービス毎に分類した(研究分担者担当)。次に,サンプル広告を多角的,効果的に分析するために,映像編集用コンピュータによりTV広告の静止画像,映像と音声をハードディスクに取り込み,ディスプレイ上で自由に操作できるよう設定した(研究代表者担当)。その後,広告研究で示唆されているコンテンツ情報のカテゴリー(例.芸能人の起用,ユーモアの有無,比較広告,意外性,新奇性,情緒的アピール,広告と商品,サービスとの関連性など)を参考に,ディスプレイ上に提示された広告のコンテンツ情報を分類した(両者担当)。そして,一致率の高いカテゴリーを抽出した上で,各カテゴリーの(1)情報の有無,(2)情報の強度(インパクト),(3)情報の出現頻度,(4)情報の時間的,空間的量,(5)情報の理解しやすさ,を評価し,各サンプルの内容分析を行った(研究代表者担当)。その結果,多くの広告が芸能人を起用していること,ユーモアを用いていること,広告商品とは関係のない表現を用いていることなどが明らかとなった。 17年度後半には,実験に使用する広告のコンテンツ情報を作成した。内容分析から得られた結果を基にTV広告のコンテンツ情報の中からいくつかの要因と取り出し,映像編集用パソコンを用いて広告の実験刺激を再構成した(研究代表者担当)。また,この時期に平成18年度に行う実験に使用するweb上での広告評価システムを開発した(研究分担者担当)。同時に,共分散構造分析などの分析方法について学んだ。その後,広告評価の評価項目リストを作成し,その評価項目への回答がCGIを用いてweb上で行えるように準備した。
|