研究概要 |
本研究「主観的会計情報の監査に関する事例研究」は、近年企業の財務諸表において増大してきた主観的会計情報のうち、いくつかの会計上の見積り(例、環境債務、年金債務、金融商品など)に対して、監査人がいかに対応してきたかを、3年間の期間にわたり検討し、特に、その問題点を、アメリカにおける証券取引委員会による監査上の処分事例の研究を通じて明らかにしようというものである。 平成18年度は、監査上の処分事例について追加資料を収集し検討を進めてことと並行して、主観的会計情報の監査に関して、その代表である会計上の見積りについて新たな動きがあり、これを事例分析のフレームワークに反映させるためにその内容の検討を優先した。具体的には、国際会計士連盟の国際監査・保証基準審議会が、2006年12月に公表した公開草案(Exposure Draft- ISA 540, Auditing Accounting Estimates, Including Fair Value Accounting Estimates, and Related Disclosures, Proposed Withdrawal of ISA 545, Auditing Fair Value Measurements and Disclosures)を、総合的に検討し、その中の過年度の会計上の見積りとその結果の比較手続について論文にまとめ、さらにその他の論点についても論文を作成中である。この公開草案の検討によって事例分析のフレームワークを調整中である。
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