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2005 年度 実績報告書

国際移民による国家主権の衰退に関する社会学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 17530356
研究種目

基盤研究(C)

研究機関北海道大学

研究代表者

樽本 英樹  北海道大学, 大学院・文学研究科, 助教授 (50271705)

キーワード国際移民 / 市民権 / 政策 / 理論モデル / 日本
研究概要

1989年以降のグローバル移民時代において、西欧諸国の国家主権は、有効な政策を執行することができず、衰退してきているとよく言われる。しかし、国家はある政策において「敗北」したとしても、別の政策において「勝利」をあげるかもしれない。すなわち、単なる衰退過程ではなく、再構築過程として国家主権は見なされなければならない。そこで本研究は、第1に、ホスト社会において移民が諸権利へと接近する際の5つの境界で構成されたハマー=小井土=樽本モデル(HKTモデル)をつくりあげた。このモデルによって、複雑な移民市民権政策を可視化することができた。第2に本研究は、先進諸国を対象とした比較研究の視点を得るため、1990年代以降の日本の経験に着目し、歴史社会学的分析を行った。日本の経験は、いくつかの点で西欧諸国と類似している。「不法」移民の排除、高技能労働者の受け入れなどである。しかし一方で、日本は異なる政策をも実施している。非熟練労働者の非導入、オールドカマーや定住者に対する空間の創設、「一流」市民と「二流」市民の境界の曖昧さなどである。この移民市民権政策のセットは、日本が国家主権の再構築のために独特の戦略をとっていることを示している。本研究は、この戦略のことを「エスニック一貫的戦略」(ethnic coherent strategy (ECS))と呼び、先進諸国における国家主権の再構築過程を比較研究するための参照点に据えた。これが今年度における成果である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2005

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] Un nouveu modele de politique d'immigration et de citoyennete?2005

    • 著者名/発表者名
      Hideki Tarumoto
    • 雑誌名

      Migrations Societe 17(102)

      ページ: 305-337

URL: 

公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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