現在のIT情報化の下で、情報サービス分野のみならず、各産業の従事者が、情報化により自らの職務がどのように変容し、いかなる新しい能力が要請されているかについて、調査研究を通して基本形態を論理的に整理することを目的とし、特に平成18年度は、これまで同様、行政分野、情報サービス産業分野に加え、自動車産業技術者にも対象を広げた。 (1)電子自治体プロジェクトの進行経過と、行政における情報職業者の職務能力形成、ネットワーク形成についての調査・分析 一昨年調査の名古屋市役所職員の電子自治体化に伴う職務変化についてのアンケート(240票回収)に基づき、第一次的な分析を行った。 (2)特定地域(浜松市、札幌市、東京世田谷区など)における産業システムとコミュニティの関連の中での情報職業の具体的姿の分析 北海道札幌市の情報サービス産業の動向にっいての基礎的調査を進めるとともに、浜松市のA自動車企業勤務の技術者の生活史と職場生活、能力形成についてのアンケート調査(95票回収)を実施し、分析した。 (3)情報社会論研究の深化とグローバリゼーションへの日本社会固有の対応様式の理論的検討 これまで検討してきた情報社会論、社会システムに関する理論を整理する'とともに、1990年代以降の日本社会へのグローバリゼーションの影響、その下での情報産業・職業とそれ以外の労働分野の基本的な変容動向にっいて整理するとともに、編著としてまとめた。
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