研究課題
基盤研究(C)
研究成果報告書は、研究方針である「序説」をはじめに、離婚紛争の原因に関する2つの章「離婚紛争の発生因」「離婚紛争の発生基盤」、離婚紛争の処理手続に関する3つの章「協議による紛争処理」「調停による紛争処理」「裁判による紛争処理」、離婚紛争の処理にかかわる今日的課題として「弁護士と離婚紛争」「DVと離婚紛争」「DVとDV防止法」の3つの章、離婚紛争の処理にともなう重要課題として「離婚紛争と離婚給付」「離婚紛争と子ども」の2つの章、アフター・ディボースの問題を扱った「ひとり親家庭の生活問題」、そして結論部の「終章」から構成される。以上の研究は、離婚紛争について法社会学の観点から理論的・実証的にアプローチし、その総合的な解明を行ったものである。実証面では、ひとり親家庭に対する調査によって、離婚原因や生活実態が明らかにされ、また家裁調査によって、調停委員の選任・研修の実態や家裁における「裁判離婚」の現状が明らかにされた。さらに、DV調査によって、配偶者暴力相談支援センターの実情が明らにされた。理論面では、収集した豊富な文献・資料によって、離婚給付や面接交渉、養育費確保等に関する新しい制度的動きとともに、DV防止法の仕組みや裁判離婚の法理等が把握された。全体を通じて、離婚における男女格差-たとえば司法におけるジェンダー・バイアスや養育費確保制度の脆弱さ、また児童扶養手当の縮小等-が鮮明にされた。換言すれば、日本社会の男女不平等な構造が、離婚というプリズムを通して理論的・実証的に確認された。
すべて 2008 2007
すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 1件)
広島法学 31
ページ: 63-87
The HIROSHIMA LAW TOURNAL Vol. 31, No. 4
社会分析 34
ページ: 3-20
Social Analysis Vol. 34