• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2007 年度 実績報告書

「ケアラー」は何故追い詰められるのか-ケア行為の本質に関する探索的研究-

研究課題

研究課題/領域番号 17530375
研究機関首都大学東京

研究代表者

中川 薫  首都大学東京, 人文科学研究科, 准教授 (00305426)

キーワードケア / ケアラー / ケア役割 / ケア規範
研究概要

家族ケアラーを対象にした手引書、すなわち、健常児を想定した育児書、障害児の保護者を対象にした育児・療育書、高齢者家庭介護の手引書の分析より、健常児の育児、障害児の育児、高齢者介護に関わる社会規範、ケアラーに対する役割期待を比較分析し、以下のことが明らかになった。高齢者介護に関しては、全体として規範拘束性が低かった。すなわち、介護家族に対する責任の強調が低く、"楽に"介護すること等、ケア負担への配慮がなされていた。また家族がケア役割に一元化されることもなく、"自分"の生活をもつことが容認されていた。さらにケア役割担当が一人に固定されることなく、外部サービスや制度の利用など、ケア役割の分担が推奨されていた。健常児の育児では、まず母親をケアの担当者とする前提がみられ、母親の責任が強調されていた。しかし、父親の補助的なケア役割への参加も推奨され、母親の負担への配慮がなされていた。またケア役割への一元化はなされず、仕事を持つ等、"自分"の生活を持つことは容認されていた。一方、障害児の育児・療育では、規範拘束性の高さがうかがわれた。ここでは、ケア担当は母親に同定され、責任が強調されていた。ケア役割の分担についても、健常児でみられた父親のケア役割への参加も言及がなかった。児の障害の軽減に関わる治療者としての役割への専従が母親に求められ、母親のケア役割への一元化がなされていた。母親が"自分"の生活をもつこと、あるいはケア負担についてほとんど言及がなかったが、唯一、兄弟児に対するケアについては期待されており、障害児の母親のケア役割拡大の期待がみられた。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 備考 (3件)

  • [備考] 本研究成果を、医師、保健師を対象とする以下の講演において発表した(2件)。

  • [備考] 第40回神奈川小児神経懇話会(神奈川県小児神経科医師の研修会)特別講演

  • [備考] 神奈川母子保健研修(神奈川県保健師の研修会)基調講演

URL: 

公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi