研究課題
課題検討のため今年度は、2007年8月にSGI-UK(創価学会インターナショナル・イギリス)を、12月にSGI-USA(創価学会インターナショナル・アメリカ)を訪問し調査を実施した(今回のアメリカ調査は、他の研究費によるもの)。SGI-UK、2005年以来継続中の、アメリカ合衆国での調査で得られた知見と、比較対照のため実施した。UK調査はパイロット調査にすぎないが、興味深い論点を得た。つまり、日本型新宗教がキリスト教をベースとする西欧文化圏に定着するとき、初期の紹介的な導入段階を経たあと、次に直面する共通の課題が存在することを見いだした。それは、宗教上の教義的な問題であるよりも、組織論的な課題である。信者の現地化が進行し、メンバーの日本人の比率が少数者へと低下した段階で、日本人が当初大半を占めた役職者のポストの、現地のメンバーへの移譲がスムーズに進行しない場合、教団組織の発展が停滞したり、(SGI-USAにおけるように)深刻な危機を迎える局面が訪れるということである。そもそも、たとえ海外に教線が伸びても、信者が日本人以外に拡大しない教団では、このような問題は生じない。しかし、今日SGIは、世界190カ国・地域の170万人に受容されていることからも明らかなように、このような組織論的な課題を解決し、あるいは解決しつつ展開する、興味深い事例なのである。前年度までに、信者の人的ネットワータの拡大契機と、教義的な救済観の異文化への適合性を調査し検討したが、今年度は、それらに加え、組織論的な研究課題を見いだしたことで、グローバリゼーション時代における日本型新宗教の特色と意義について、社会学的分析な遂行する上で必要な枠組を整備できた。
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渡邊直樹編『宗教と現代がわかる本2008』平凡社
ページ: 168-173
"The Contribution of University to Civil Society", Kobe University
ページ: 96-110
『寺門興隆』 101-102,104,106-107,109-110
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http://keisya.hus.osaka-u.ac.jp/kawabata/
http://altruism.blog56.fc2.com/