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2008 年度 実績報告書

欲望を作り出す広告魔術を解く-環境保護の視点から

研究課題

研究課題/領域番号 17530380
研究機関島根県立大学

研究代表者

江口 真理子  島根県立大学, 総合政策学部, 教授 (00269523)

キーワード環境保護 / 広告 / 言語 / イメージ / 音楽 / 言説
研究概要

本研究は、環境保護の視点から広告のテクストを批判的に分析することを目的とし、自動車広告を対象として、テクストを言語・イメージ・音楽の要素に分け、言語学、景観学、音楽人類学、文明論の専門家による共同作業によって、広告テクストにアプローチした。江口は広告に使われる商品名の分析とイメージの分析を、江尻はテクストと広告の両方の分析を、諏訪は音楽の分析を行った。渡部は広告魔術の誕生を19世紀フランスにおける消費社会の誕生に遡って考察した。
共同研究の結果、芸術的テクニックの持ち主である広告の送り手は、言語、イメージ、音楽のような構成物という素材を用い、商品購入への欲望を掻き立てるという魔術的効果を意図しているのだが、広告の魔術的効果は受け手側の解釈に大きく依存していることが考察された。広告の言語、写真、音楽はある人にとっては、「非日常的な神聖な世界」であるが、ある人にとっては、「地獄」となる。もう一つの発見は、近年新聞や雑誌で多く見受けられるようになった環境保護を重視する言説の間には、それを打ち消す広告が挿入されていることであった。TIMEの記事と広告の関係を分析した江尻は、雑誌の記事では環境保護を訴え、挿入された広告では自然征服を謳歌するという矛盾に満ちたものであることを発見した。渡部による19世紀の雑誌メディアの考察と併せて読むと、雑誌メディアが消費社会と密接な関係を持つという雑誌の特性が現代にも脈々とつながっていることが分かった。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] ポスト社会主義トゥバにおける自然の物神化とエスノ文化資本の生成-ホーメイを事例として-2008

    • 著者名/発表者名
      諏訪淳一郎
    • 雑誌名

      北東アジア研究 別冊1

      ページ: 85-108

    • 査読あり
  • [学会発表] フィールドワークという挑戦 : トゥバ調査の事例から2008

    • 著者名/発表者名
      諏訪〓一郎
    • 学会等名
      第3会市民研究員定例研究会
    • 発表場所
      島根県立大学
    • 年月日
      2008-11-29
  • [図書] 言語とメディア・政治2009

    • 著者名/発表者名
      江口真理子 (共著)
    • 総ページ数
      247
    • 出版者
      朝倉書店

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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