研究課題/領域番号 |
17530380
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
社会学
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研究機関 | 島根県立大学 |
研究代表者 |
江口 真理子 島根県立大学, 総合政策学部, 教授 (00269523)
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連携研究者 |
渡部 望 島根県立大学, 総合政策学部, 教授 (60167153)
瓜生 忠久 島根県立大学, 総合政策学部, 教授 (60326395)
江尻 雅一 京都産業大学, 文化学部, 准教授 (10298896)
諏訪 淳一郎 弘前大学, 留学生センター, 准教授 (40336904)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2008
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キーワード | テクスト分析 / 言語 / イメージ / 音楽 / 広告 / 環境保護 |
研究概要 |
本研究は、環境保護の視点から広告のテクストを批判的に分析することを目的とし、自動車広告を対象として、テクストを言語・イメージ・音楽の要素に分け、言語学、景観学、音楽人類学、文明論の専門家による共同作業によって、広告テクストにアプローチした。江口は広告に使われる商品名の分析とイメージの分析を、江尻はテクストと広告の両方の分析を、諏訪は音楽の分析を行った。渡部は広告魔術の誕生を19世紀フランスにおける消費社会の誕生に遡って考察した。 共同研究の結果、芸術的テクニックの持ち主である広告の送り手は、言語、イメージ、音楽のような構成物という素材を用い、商品購入への欲望を掻き立てるという魔術的効果を意図しているのだが、広告の魔術的効果は受け手側の解釈に大きく依存していることが考察された。広告の言語、写真、音楽はある人にとっては、「非日常的な神聖な世界」であるが、ある人にとっては、「地獄」となる。もう一つの発見は、近年新聞や雑誌で多く見受けられるようになった環境保護を重視する言説の間には、それを打ち消す広告が挿入されていることであった。TIMEの記事と広告の関係を分析した江尻は、雑誌の記事では環境保護を訴え、挿入された広告では自然征服を謳歌するという矛盾に満ちたものであることを発見した。渡部による19世紀の雑誌メディアの考察と併せて読むと、雑誌メディアが消費社会と密接な関係を持つという雑誌の特性が現代にも脈々とつながっていることが分かった。
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