研究課題
基盤研究(C)
国際協力と6つの主体の図や、社会サービスの提供と4つの主体(国家、市場、社会、NGO)の図を健医療、教育)する諸相を分析した。第1に、中東地域で新たなNGOとしてフェアトレード・センターが登場し、シナイ半島のべドウィン女性組織と連携する。アジア地域ではインド西部地域の巨大なNGO「自営女性労働者協会」(SEWA)が、子供のケアを含めた社会サービスの提供を推進する。ミヤンマーの少数民族モン人とタイの難民支援NGOは連携し、自文化復興活動を推進する。第2に、中東地域ではイスラムNGOが、社会サービスの提供(保健医療や教育)に腐心し、国家に代替する活動を展開している。エジプトやパレスチナなどで、保健医療サービスを提供するイスラム診療所を拡充し、マリやトルコでは、国家の提供する世俗教育への代替的な教育を推進しようとしている。イスラム組織のうちスーフィー教団が、ガーナやスーダン、アルジェリアやトルコでは、社会サービスの提供を積極的に担っている。第3に、イスラムが初期から有してきた福祉サービス提供のための慈善制度、ザカート(喜捨)、中世における病院運営、オスマン帝国で発展した「給食所」、それにワクフの活動が、今日の社会サービス提供活動に繋がっている。ダマスカスでは、16世紀に作られた「給食所」が、限られた規模でシンボル的に活動を継続している。イスラム社会は、社会サービスの提供において、国家が十分に、あるいは、人々の本来の必要に応
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