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2006 年度 実績報告書

ライフストーリー論からみる1950年代の生活記録運動とリテラシー変容の経験的研究

研究課題

研究課題/領域番号 17530391
研究機関日本女子大学

研究代表者

小林 多寿子  日本女子大学, 人間社会学部, 教授 (50198793)

キーワードライフストーリー / リテラシー / 書く実践 / 質的研究 / 自己の構築 / 文章運動
研究概要

本年度の研究は、一年めの生活記録運動の実態調査を継続し、調査結果分析と文章運動の系譜のなかでの検討を進めた。とくに、生活記録運動全体の実態把握と生活記録作品の収集、生活記録の書き手や関係者へのインタビュー調査を主な調査内容として実施した。また、一年めの調査結果をもとにインタビュー調査を継続しておこない、作品分析と文章運動の系譜のなかでの生活記録運動の意味の考察に取り組んでいる。さらに研究の中間的な成果を国際社会学会で報告した。研究経過は以下のとおりである。一、インタビュー調査-1950年代に生活記録運動に関わった関係者にインタビューを実施。とくに岐阜県と三重県において当時の生活記録運動のキーパーソンにインタビューをおこなった。二、生活記録作品分析-一年めに収集した生活記録作品の内容分析に着手した。「トピックあるいはテーマ」「時間性」「自己と他者」という観点から検討をおこなっている。その際の留意点はつぎの二点である。(1)当時「実感べったり主義」あるいは「現実密着主義」と批判された生活記録の作品内容を現在の観点から個人的経験のストーリーとして分析。リテラシーの階級性の問題も検討する。(2)生活記録作品と戦争体験。50年代に近い過去であった戦争体験が個人的経験を書くことにどれほどインパクトになっているかを考える。三、ライフストーリー論からみるインタビュー結果と生活記録作品の検討と生活記録にあらわされた個人的経験の分析。四、文章運動の系譜の検討-調査の成果をもとに「ふだん記」運動等の文章運動の系譜で生活記録運動の意味を考える。五、中間段階での成果報告-2006年7月に南アフリカ・ダーバンで開催予定の国際社会学会リサーチコミティ38「伝記と社会」の部会で伝記的方法やライフストーリー論に関わる社会学者との議論を交わした。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2006

すべて 雑誌論文 (4件)

  • [雑誌論文] 「人、ひとにあう」ということ-米山俊直のまなざし-2006

    • 著者名/発表者名
      小林 多寿子
    • 雑誌名

      現代風俗研究 12

      ページ: 55-59

  • [雑誌論文] 書く実践と自己のリテラシー-『ふだんぎ』という空間の成立2006

    • 著者名/発表者名
      小林 多寿子
    • 雑誌名

      戦後世相の経験史(せりか書房)

      ページ: 240-261

  • [雑誌論文] 個人的記憶と家族ストーリー2006

    • 著者名/発表者名
      小林 多寿子
    • 雑誌名

      ソシオロジ 51-1

      ページ: 179-181

  • [雑誌論文] Thinking of Biographical studies in Japan after Durban RC382006

    • 著者名/発表者名
      Tazuko KOBAYASHI
    • 雑誌名

      Newsletter Biography and Society RC 38 of the ISA December2006

      ページ: 9-10

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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