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2007 年度 実績報告書

庶民による語りからみた戦後の世相史の社会学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 17530396
研究機関椙山女学園大学

研究代表者

塚田 守  椙山女学園大学, 国際コミュニケーション学部, 教授 (80217273)

キーワード戦争体験 / 自分史 / 東京大空襲
研究概要

本年度は、さまざまな人々の自分史の中で「語られた」世相史の側面として重要なテーマである「戦争体験」について考察した。70歳代の二人のインタビュー調査の知見から、この世代にとって「戦争体験」、とくに、戦争当時10歳代の時の「戦争体験」は重要なテーマではないかと思われた。本年度の文献研究はこのテーマに焦点を当て、子どもの「戦争体験」を題材とした自分史的作品及び小説の分析を試みた。具体的には「東京大空襲」を経験した早乙女勝元氏や高木敏子氏の著作を手がかりとして、広島や長崎の被爆戦争体験とは異なって、これまで限られた議論しかされていなかった「東京大空襲」や地方都市の空襲被災体験について分析した。また、文献だけでなく、「東京大空襲」に関わるNHK制作のドキュメンタリーや2008年3月に放映されたテレビドラマの分析などを行い、庶民にとって記憶に残る世相史としての「戦争体験」を考察した。さらに、さまざまな自分史サークルが編集・出版している「戦争体験」に関わる自分史的エッセイも分析の対象として考察した。
「戦争体験」といえば、一般的には大人の男性の「兵役体験」あるいは「戦場体験」が主で、戦争加害者としての「反省的語り」や「青春の回想」などという形式がほとんどであった。70歳代はそのような「戦場体験」ではなく、子どもとしての「戦争体験」の記憶を自分史の重要なテーマとして、いまふり返って語っていることが興味深い現象である。
本年度は3年間の研究期間の最終年度であるので、その研究成果をまとめているところである。庶民によって語られた戦後の世相史全体を概説的に描写するのではなく、本年度に展開されたテーマである「戦争体験」を、庶民の語りから読み取れた重要な世相史の表象だとみなし、戦時中と戦後10年間ほどに限定した世相史の社会学的研究としてまとめる予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2008 2007

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] ライフストーリー・インタビューの可能性2008

    • 著者名/発表者名
      塚田 守
    • 雑誌名

      椙山女学園大学研究論集 39

      ページ: 1-12

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [学会発表] インタビュー調査で聞き取れること2007

    • 著者名/発表者名
      塚田 守
    • 学会等名
      日本教育社会学会
    • 発表場所
      茨城大学
    • 年月日
      2007-09-23
    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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