従来(平成17年度以来)行ってきた定例の研究会を開催し、文献の読解と収集したデータの整理・解釈を継続しながら、本年度は主として二つの事業を行った。 ひとつは、データのさらなる収集であった。びわこ成蹊スポーツ大学のサッカー部の活動を追いかけ、関西学生選手権での戦いぶりを、ヴィデオ撮影し、監督・選手へのインタヴューを試みたこと。龍谷大学ボート部の部員に朝日レガッタでの経験についてのインタヴュー、さらに能の金春康之氏のレクチャーとインタヴュー取材などを行った。これらは以前のデータの不備を補うものとして貴重である。 もうひとつは、3年間に及ぶわれわれの研究の成果をまとめ、学会で報告すること、論文として学会誌などに発表すること、さらには報告書としてまとめあげることであった。学会発表については第80回日本「社会学会において共同研究として報告した。西日本スポーツ社会学会においても、メンバーの二人が発表を行った。また論文としては、『龍谷大学大学院研究紀要』に、上記の学会発表の要旨を掲載することができた。報告書についても、2008年3月に完成をみた。 社会学の領域におけるパフォーマンス研究はいまだ開拓されていない状況にあるが、われわれの「リズム論」からの当領域へのアプローチは、そうした中でのパイオニアの役割を担うものと思われる。学会発表、論文発表はそのような中での成果として評価されるはずである。又、収集した資料は今後の研究に生かして行きたいと考えている。
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