研究課題/領域番号 |
17530407
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研究機関 | 熊本学園大学 |
研究代表者 |
羽江 忠彦 熊本学園大学, 商学部, 教授 (30084271)
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研究分担者 |
天田 城介 立命館大学, 先端総合学術研究科, 准教授 (70328988)
花田 昌宜 熊本学園大学, 社会福祉学部, 教授 (30271456)
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キーワード | ハンセン病 / 個人史 / 歴史 / 台湾 / 沖縄 / 当事者 / ライフ・ヒストリー / 戦後 |
研究概要 |
本研究に取り組むにあたって、本学・熊本学園大学と同地域に所在する菊池恵楓園入所者との交流を行ってきた。その過程で、同所自治会機関誌「菊池野」の目次を1号(1951年5月)から600号(2005年3月)までを集約した(熊本学園大学付属社会福祉研究所「社会福祉研究所報」第33号、2005年3月)。この作業を経て、「ハンセン病者のたたかい・年表稿」を作成した(熊本学園大学付属社会福祉研究所「社会福祉研究所報」第34号、2006年3月)。この作業を通じて沖縄愛楽園、台湾楽生園により注目するに至った。第2次世界大戦前、台湾楽生院は日本の植民地台湾に建設され、本土の閉鎖的療養所設置に準じて建設、運用された。しかし、戦後、同療養所は開放化され、地域でハンセン病者は健康の回復を図ることになり、現在に至っている。他方、沖縄愛楽園は、アメリカの占領統治下のもとで、閉鎖・隔離から開放へと転換し、沖縄の本土復帰後も開放化された状態が維持されている。本土の療養所閉鎖・隔離は、2001年5月の熊本地裁勝訴判決によって、ようやくにして開放化するに至った。本研究は、本土におけるハンセン病者の閉鎖的処遇が、台湾、沖縄の開放的処遇へと転換することより遅れ、このズレを記録し、解明することに加え、ハンセン病者の人権を保障することを展望する営みの第一歩であったと考えるものである。 科学研究費によって、ようやくにして、本研究の端緒についたと考えられる。それ故に、今後、自主的に研究を継続、発展することを本研究従事者の願いとするものです。
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