I 資料収集として、研究分担者の安井教授が東京に出張し、福祉関係の資料収集を実施した。中間報告ではあるが、これまでの調査をまとめ、古村が、日本社会福祉学会第55回大会(2007年9月23日 大阪市立大学)において 個別報告「旧産炭地における閉山後の地域社会問題に関する考察〜旧炭鉱商店街地区の住民聞きとり」として、発表した。 聞き取り調査から美唄市我路地区における炭鉱閉山時の商店街移転にかかわる諸問題が明らかになった。従来、旧産炭地の問題では炭鉱離職者問題のかげに隠れて、地域社会を支えた商店街の担い手における福祉問題は注目されることがなかった。本調査ではその一端が明らかとなった。 II 北海道社会福祉協議会の協力により、北海道市町村の社会福祉協議会調査を実施した。調査結果から社会福祉協議会の地域活動をになう地域婦人会の活動が次世代に引き継がれていくうえでの課題が明らかになった。 III 次世代の課題として、NPOが地域福祉活動の一端を担っている傾向が調査地区でも、でてきている。行政と対立するのでなく、また下請けでもないあり方が新しい時代の女性団体の在り方として期待されている。地域婦人会を対象とするアンケート調査ではNPOへの転換が進んでいない現状である。しかし、比較的若い、30-50歳代の女性によるNPO活動は増えており、他方、地縁組織としての女性団体も地域福祉には必要である。女性活動の2極化に対応した組織化が求められよう。
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