研究概要 |
1 今年度の研究の概要 本研究は,福祉NPOのネットワーク組織の機能と役割,さらにはネットワーク組織内での参加組織間の関係について明らかにするものである。今年度は,まず,基礎的な文献調査(インターネットを通じての情報収集を含む)や日常的なネットワーク組織との情報交換に加え,とくに,ネットワーク組織に対する聞き取り調査及び活動の観察調査を行い,福祉NPOの組織間関係を分析し,そのような関係の違いがネットワーク組織としての機能と役割にどのような影響を与えているのかを考察した。 2 研究の方法と対象 まず,本年度は,基礎的な文献調査とともに,主としてインターネットやメールを使い,ネットワーク組織についての情報収集を行った。本年度は,主として都道府県および政令市を範囲とする移動サービスを担う組織のネットワークを研究対象とした。2004年3月末に移動サービスの法適正化をはかる通達(道路運送法第80条許可に関するガイドライン)が国土交通省・厚生労働省から出され,それをもとに2006年10月には道路運送法の改正(第79条に福祉有償運送を新設)が予定されているという時期にあって,福祉NPOのネットワーク組織の役割が非常に重要になってきており,それに対応して,ネットワーク組織が各地に多くできてきているため,本研究の対象に適していると判断した。 3 本年度の研究の成果 本年度の調査結果を組織間関係理論を用い分析し,何により調整されるか(調整メカニズム),誰が調整するか(調整主体),関係性はどこまで公式化(明文化)されているか(公式化),どこまで調整の影響が及ぶのか(調整の範囲),参加組織間の関係は強いのか(組織の関わり合い),組織規範に反した時にペナルティーがあるのか(制裁)といった五点から分析を行う。また,そのような違いが福祉NPOネットワークの機能にどのような違いをもたらしているかを明らかにする。 なお,本年度は研究初年度であり,論文等での発表は行っていない。
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