研究概要 |
本年度は,昨年度に引き続き,福祉NPOの連合組織に関する調査を行った。昨年度は,研究分担者が新たに参加し,とくに阪神地区での阪神淡路大地震後の復興およびまちづくりに関する福祉NPOの連合組織の形成過程やその中での福祉NPOの役割,福祉NPO間関係に焦点をあてて,現地調査を行った。その結果,地域性もあり,かなり小さな単位ごとに連合組織の形成(形成できたか,できなかったかも含む)や復興における役割に相違がみられることが明らかとなった。 また,本年度は海外事例研究として,シンガポールをフィールドとして選び,現地調査を行った。シンガポールは人口450万人が主として一つの島に住み,マレー系中国人がもっとも多いが人種的にも多様である多民族国家である。国内では高齢化が急速に進んでおり,国内でのNPOの活動への期待が非常に高くなっていることから,フィールドとして選んだ。現地調査の結果,国自体が非常に小さく,NPOの活動もそんなに活発でないため,地域単位や活動単位での連合組織はまだほとんどなく,国全体での連合組織が大きな役割を果たしていること,主として高齢化に対応するため政策としてのNPOの支援制度が整備されつつあることが明らかとなった。 今年度は国内学会で2回,発表を研究経過について発表を行った。(日本地域福祉学会および日本福祉のまちづくり学会)
|