1.17年度のアンケートを詳細に分析し、ケアマネジメント研修会に必要な要素は事例検討会であることを確認した。参加者の技能向上に加え、事例検討会を運営できるスタッフの養成が必要と考察された。 2.17年度の事例検討会をビデオ撮影した資材を検討し、効果的な教育研修の手順を検討した。事例検討会は構造化して進行するべきであり、とくに時間配分を明示し進行方法を明確にしておくことが重要であった。それによって参加者は自らの役割と研修の目的が明確になり、積極的な参加ができる。また、教育者の技能も向上しやすくなると考えられた。 3.利用者グループである「ひいらぎの会」では、利用者同士で訪問などを行っている際には医療ならびに生活全般に関する相談や助言を行っており、利用者同士の相互支援活動にケアマネジメントの手法が有用であるとの意見を得た。 4.オーストラリアのメルボルンならびにシドニーの精神保健サービスを視察し、在宅ベースの訪問支援(HBO)、救急サービス(CATT)などについて情報を得た。一般開業医(GP)に対して精神障害の情報提供を行っており、多くのニーズを系統的に示している点が教育資材に活用できると思われた。利用者のストレングス(能力)を引き出すための支援を、サービス全般にわたって実現できるよう理念の普及に努めていることを確認した。 5.鳥取県社会福祉協議会の協力を得て行っている介護支援専門員現任者研修会では、17年度からの構造的な研修プログラムを改良して文書での資料を作成し、グループの世話役(ファシリテータ)の役割を明確にした。 6.米子保健所の協力を得て行っている精神障害ケアマネジメント実践研修会では、事例検討会の司会者を交替で行って、誰が行っても同様の結果が導き出せるよう手順を明確にした。
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