研究課題/領域番号 |
17530428
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研究機関 | 北星学園大学 |
研究代表者 |
田辺 毅彦 北星学園大学, 文学部, 教授 (50217105)
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研究分担者 |
大島 寿美子 北星学園大学, 文学部, 助教授 (60347739)
北澤 一利 北海道教育大学, 釧路校, 助教授 (00204884)
足立 啓 和歌山大学, システム工学部, 教授 (50140249)
長田 久雄 桜美林大学, 大学院・老年学専攻, 教授 (60150877)
西尾 祐吾 第一福祉大学, 人間社会福祉学部, 教授 (40198429)
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キーワード | 利用者視点 / 介護サービス評価 / 特別養護老人ホーム |
研究概要 |
現在、高齢者福祉関連施設に関して、利用者が介護サービス事業者を選択するに当たっての判断に役立つような情報を開示するための制度的な枠組みについて検討が進められているが、さまざまな外部評価の内容を見ても詳細かつ多視点にわたってはいるが、一般の利用者本位に基づいたわかりやすいものはあまり多くない。そこで、本研究においては、今後の施設の選択を容易にするための評価基準内容について、利用者と施設関係者との意識の相違を基に検討することを目的として調査を行った。 調査は、施設関係者95名、一般の中高年成人260名を対象に、2005年7月下旬〜2006年1月にかけて行われ、評価施設対象を特別養護老人ホームに絞って、基本情報29項目、具体的介護技術評価24項目について、各々その重要性の評価を求めた。調査を行った地域は、北海道の都市部の一般成人および認知症介護家族会の会員、道内郊外地域の福祉施設職員、和歌山の都市部にある認知症介護家族会の会員であった。その結果、ほとんどの情報が重要であると評価されたが、中でも一般成人群の方が施設入居に関する基本情報に対して、施設関係者群の方が利用者の権利擁護に対して優先度が高い結果となり、さらに、家族会の会員の方が一般成人に比べて、認知症ケアへの支援や最後の看取りなどに関する情報について関心が高いことも明らかとなった。したがってこの結果より、利用者の施設評価情報のニーズは介護家族の有無によって異なるが、基本情報と利用者の特別な支援に関する内容に重点をおくことが重要であると考えられる。今回の結果はいくつかの地域における限定的なデータであるが、さらに次年度は大都市圏のデータも参照しながら、利用者とその家族が当事者意識に基づいて評価ができる方策について検討を続けていきたい。
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