平成19年度は、年度当初の研究計画に従い、これまでの研究(フィールドワーク)を継続するとともに、最終年度としての報告書の作成に向けた研究活動を実施した。 具体的には、日本のソーシャルワークの実践場面は、欧米等とは異なり、相談機関などの面接場面よりも、施設等の生活場面での実践が中心といえることから、生活施設でのコミュニケーション場面について継続的な研究を行った。その際、前年度は、利用者とのコミュニケーション場面が中心であったことから、今年度は、生活施設における職員間における生活相談員(ソーシャルワーカー)のコミュニケーションについて分析をし、裏面の研究成果にまとめた。 また、最終年度としての研究成果報告書については、初年度からの研究成果の総括として、ソーシャルワークのコミュニケーションを分析する際の研究的枠組みや方法として援用可能と考えられた言語学・コミュニケーション論等の知見について紹介をするとともに、実際のソーシャルワークの実践現場(生活施設)におけるコミュニケーション分析を行った。その上で、国内外でのソーシャルのコミュニケーション教育の動向も踏まえ、利用者と援助者を異文化間のコミュニケーションに置き換えて、異文化間コミュニケーション教育の方法の援用の可能性をもとに、日本的な教育のあり方について検討し、その課題をまとめた。さらにソーシャルワークの実践現場(生活施設)での利用者とのコミュニケーション、職員間の中でのコミュニケーションの現状をふまえたソーシャルワークのコミュニケーション教育のあり方と課題について論じた。
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