研究課題/領域番号 |
17530443
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 佛教大学 |
研究代表者 |
鈴木 勉 佛教大学, 社会福祉学部, 教授 (20162969)
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研究分担者 |
岡崎 祐司 佛教大学, 社会福祉学部, 教授 (40257803)
藤松 素子 佛教大学, 社会福祉学部, 助教授 (40261721)
石倉 泰次 立命館大学, 産業社会学部, 教授 (40253033)
横山 寿一 金沢大学, 経済学部, 教授 (10200916)
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キーワード | 準市場 / 新自由主義 / ワークフェア / 介護保険制度 / 生存権保障 / 非営利組織 / 社会福祉法人 / 協同組合 |
研究概要 |
平成17年度は本研究の初年度であるので、第一に、研究課題に関する基礎的な概念について、数回にわたる研究会で検討を行った。特に対象としたのは、「わが国の社会福祉領域における市場化の特質」「社会福祉における公私関係と公的責任」「非営利福祉組織の位置と動向」などである。このうち、「市場」概念については「貨幣を媒介とした財・サービスの売買の総体」として把握し、近年の福祉領域における市場化の動向については、「参入規制」と「価格規制」が存在する点に着目し、これを「準市場」化と呼ぶべきであると捉え、欧州における「準市場」化の推移との対比で、介護保険制度の導入に始まる日本の「準市場」化の特殊性を分析した。 第二は、比較研究の視点から英米と韓国を対象として、それぞれの国の福祉事業を規定している法的な枠組みと福祉供給をめぐる問題状況に関して、各分野の外国研究の専門家を招いてレクチャーを受け、わが国と比較する上での素材を得た。このうち韓国に関しては、ヨーロッパ諸国のワークフェア政策に類似した制度を運営する福祉NGO(自活後見機関)を対象として、プサン市の自活後見機関のスタッフと、同市及び国の公的扶助と労働行政担当者に対するヒアリングを平成17年9月に実施した。自活後見機関については、同機関が果たしている社会的な機能に着目し、設立過程と現状・課題を考察するために、来年度以降はプサン市以外の自治体にも拡大して調査を行う予定である。 第三には、来年度以降実施を予定している、わが国の介護保険事業者と自治体に対する調査の方法等についても検討を始め、今年度は先行調査研究をリサーチするとともに、金沢市の医療法人が運営する介護保険事業所2ヶ所からヒアリングを行った。
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