研究概要 |
前年度までの調査で,勤務全般に関する変数と睡眠に関わる変数に関して,勤務形態,就床・起床時刻,睡眠時間,食事の不規則さや運動量の違いが重要な要因として確認が行われた。SDS(抑うつ度)との関連から休日の眠気や就床時刻の違いが有意な説明変数であった。しかし,各事業所が多種にわたり他の変数の影響が懸念された。そこで,特定の事業所4箇所384人に具体的な対処や発達的変化を加えた調査を行い,各種条件の調整を行ったうえで結果の分析を試みた。GHQを指標に睡眠と労働時間との関連を分析した。結果は「長く働くこと」「睡眠が短い」ことがメンタルヘルスに直接影響するのではなく,時間外労働や交代制による生活・睡眠への影響がメンタルヘルスに関わることが確認された。また,年齢による変化やその調整機能の変化にも配慮が必要であることが示唆された。 これらの結果を健康講話やリーフレットなどでフィードバックし,その効果について追研究を行うとともに,活動量記録から活動パターンの分析を行い,生活・睡眠の実態に即した健康生活指導が有効であることも確認されつつある。
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