平成17年度においては、調査項目の収集・整理、再構成をおこない、調査票を作成した。 平成18年度においては、前年度に作成した調査票を用いて、沖縄県内3カ所の総合病院で個別面接調査を実施した。9月29日〜10月20日の期間内で那覇市立病院で入院中の患者を対象に4回の調査を実施した。また、同様に12月1日〜12月15日の期間中、県立北部病院で3回、1月19日〜2月16日の期間中、琉球大学医学部附属病院で5回の調査を実施した。合計12回の調査を実施し、126人の入院患者の回答データを収集した。調査終了後、速やかに数値データおよびインタビュー内容・自由記述に関して入力作業をおこなった。その後、基礎的な集計・統計作業を進め、本調査で用いた尺度項目の信頼性の検討をおこなった。信頼性係数(クロンバッハのアルファ係数)を算出したところ、健康効力感尺度、サポート尺度などの各尺度において高い信頼性が認められた。 本課題のテーマは、入院患者を対象として、その治癒過程において健康効力感がどのように作用しているか、また、健康効力感を何が規定しているかについて検討することである。すなわち、健康効力感を媒介変数とする健康回復モデルを設定し、実証的に検討することになる。 上記の問題意識を踏まえ、その後の分析作業を進めた。準備段階の相関分析によって、健康効力感尺度、サポート尺度、入院時の健康回復行動とのあいだに正の関連がみいだされた。今後、本課題のテーマに即し、入院患者の治癒過程において健康効力感がどのような作用をしているか、また、健康効力感を規定しているのはどのような要因なのかについて関連モデルを設定し、分析を進めていく予定である。
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