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2006 年度 実績報告書

自己制御に関する社会心理学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 17530464
研究機関関西大学

研究代表者

遠藤 由美  関西大学, 社会学部, 教授 (80213601)

研究分担者 唐沢 かおり  東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 助教授 (50249348)
キーワード自己制御 / 制御資源 / 制御焦点 / 感情
研究概要

『自己制御に関する社会心理学的研究』の2年次である今年度は、初年度の理論的検討の上に、研究を開始した.自己制御ないし自己統制の成否は意思の強さや誘因の強さによってのみ規定されるのではなく、制御を実行するための資源(制御資源)量の影響を受けることが指摘されている.そこで、実験的検討として、日常的に食行動を統制(いわゆるダイエット)している参加者を対象に、思考抑制の操作によって制御資源を減衰させた群と、そのような操作をおこなわない統制群を設け、いくつかの質問に回答を求め、その後謝礼としてノートと菓子のいずれかを選択させた.その結果、制御資源減衰群では、統制群よりも菓子の選択率が高かった.つまり、制御資源が減衰した状態では、日頃から控えようと制御しているはずの食行動の制御に失敗する傾向のあることが確認された.
次に、自己制御においては、「快への接近」と「不快の回避」とが区別され(Higgins,1998)、それぞれ異なる動機づけシステムが対応していると考えられており、前者は促進焦点、後者は防衛焦点と名づけられている.もし、そのような動機づけシステムが、社会の中で獲得される価値観と関係があるとするなら、前者は積極的に事を成し遂げようとする相互独立的あるいは自立的個人の価値と、他方後者は失敗を回避し失点を少なく留めようとする相互協調的な個人の価値と関連すると考えられる.大学生を対象に、制御焦点、相互独立・協調的自己観尺度、及び喜びや落胆などの報酬感情について質問紙調査を実施した.その結果、感情体験は制御焦点によって規定されることが明らかになった.ここから、価値観によって異なる感情体験は、制御焦点によって媒介されている可能性が示唆された.
最終年度である来年度は、これらの結果をさらに発展させ、より強い主張ができるような知見をみいだしたい.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2006

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] 飲食行動の自己制御過程2006

    • 著者名/発表者名
      山岡洋, 唐沢かおり
    • 雑誌名

      日本心理学会第70回大会発表論文集

      ページ: 252-252

  • [雑誌論文] 制御焦点と文化的自己観が感情体験に与える影響2006

    • 著者名/発表者名
      竹橋洋毅, 唐沢かおり
    • 雑誌名

      日本心理学会第70回大会発表論文集

      ページ: 200-200

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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